四季とともにある食文化
日本は四季があり、古来より人々はその季節に応じた食材をいただいてきました。
春は山菜の苦味で冬に溜まった老廃物を流し、夏は瓜や葉物で体の熱を冷まし、秋は穀物や果物の実りで潤いを与え、冬は根菜で体を温め、力を養う。
まさに「旬を食べる」ことが、自然とともに生きる日本人の基本でした。
米と味噌汁、一汁三菜の知恵
稲作文化が根づいて以来、日本人の主食はお米です。炊きたてのご飯はエネルギーの源であり、心を落ち着かせる力を持っています。
そこに欠かせないのが「味噌汁」。発酵食品である味噌は腸を整え、野菜や海藻を組み合わせることで栄養のバランスを支えてきました。
「一汁三菜」という形は、戦国時代から庶民の間に広がったといわれています。
主菜と副菜を少しずつ組み合わせることで、動物性と植物性、陰と陽の調和を図る――これは東洋医学の考え方とも響き合っています。
発酵文化の力
日本食のもう一つの柱は、豊かな発酵文化です。味噌、醤油、納豆、漬物、日本酒…。
どれも「微生物と共生する知恵」から生まれました。
保存性を高めるだけでなく、旨味を増し、消化を助け、体を温めたり、免疫力を支える役割も果たしています。
こうした発酵食品を毎日の食卓に自然に取り入れてきたことは、日本人の健康と長寿を支えてきた大きな理由の一つです。
海と山の恵み
日本は海に囲まれた国。魚介類は古来から重要なたんぱく源でした。特に青魚に含まれる油は、血をきれいにし、脳を健やかに保つ力があります。
一方で山からは、野菜や山菜、きのこなどの豊かな恵みがありました。海の幸と山の幸、その両方をいただける土地柄が、日本食の豊かさを形づくってきました。
「もったいない」の心と暮らし
日本人は昔から「もったいない」という心を大切にしてきました。
魚なら骨まで、野菜なら皮や葉まで無駄にせず調理する。出汁をとった昆布や鰹節も佃煮にしていただく。
これは単に節約の知恵ではなく、「命をいただくことへの感謝」が食文化に根づいていたからです。
日本食が教えてくれること
現代は忙しさや便利さが加速する時代の中で、加工食品やインスタント食品が激増しました。
便利な時代に生きているので、その恩恵を受け取ることもとても大切ですが、僕らは日本人であり、人間という生き物です。
欧米化した食生活や過度に加工食品を摂り続けることは僕らの体にはとても負担がかかることです。
自分の土台を育て、自分の体にあった生き方をしていくことはこれからの時代もっと大切になってきます。
日本食に立ち返ると、そこには「自然に調和して生きる」という大切な知恵が息づいています。
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季節のものを食べる
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少しずつバランスよくいただく
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発酵の力を日々の中に取り入れる
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命への感謝を忘れない
これらは、からだを整えるだけでなく、心をやわらげ、生き方そのものを支えてくれるものです。
おわりに
炊きたてのご飯と味噌汁を前にしたとき、
それだけで「ほっとする」「安心する」と感じるのは、きっと日本人が長い年月をかけて培ってきた暮らしの記憶と日本人としての魂が、私たちのからだに刻まれているからではないでしょうか。
日本食は、単なる食事ではなく、自然や人とのつながりを思い出させてくれるもの。
じねん東洋はり灸院もまた、この「自然と調和する生き方」を大切にしながら、心と体の健康を支えていきたいと思っています。
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